【ハマりたて初期衝動跡地】 2025/03~2025/08 2025年春に突然炎炎と紅備にハマり、いてもたってもいられず諸々書き散らすために作った雑記帳です。 アニメ3期開始前の変な時期にハマったにも関わらず、運が良かったり優しい人達に巡り会えたりのおかげで楽しい数ヶ月でした。ので所々(というか常に)テンションが変です。 絵の名義を分けようと思い立ったため現在は稼働していません。 もし紅備好きな人がいたとして、他にも好きな人いるんだなと感じられるならもうなんでも嬉しいかもと思いとっておいてます。 --- (当初からの注意書き) 炎炎ノ消防隊の紅丸×桜備に可能性を感じてしまった人の呻き場 ここにあるのは:ハマりたて人(びと)の荒れた呟き/二次創作(紅備腐SS、らくがきなど) SSはSS一覧に移しています 2025年3月に原作一気読みアニメ一気見したド新規です ネタバレ配慮無しなのでアニメ派注意 2025/03/15
SS 落火流水4の追加部分抜粋 タマキと紅丸の組み合わせ好きです 続きを読む ゴロ、と土のついたじゃが芋がひとつ、紙袋から転がり落ちた。 目の前でそれを見ていたタマキは、あ、と声を挙げたものの、両手はその芋が入っていた紙袋を抱えてふさがっているため、ただただ見ていることしかできなかった。 ああ、ごめん、助けられない―― 浅草の舗装されていない道へと真っ直ぐに落下していた芋は、地面にぶつかる寸前で誰かの手に受け止められた。 「ほらよ」 しゃがんでいた体をゆっくりと起こした紅丸が、掴んだ芋を野菜の詰まった袋の一番上に戻す。 「あっ……ありがとうございます」 驚きに目を見開いて、それでも咄嗟に礼が口を出た。敬礼も合掌もできない状態で、タマキは二つ結びにした頭を可能な限り深く下げた。 「しかし、えらい量だな。押し付けられたか?」 持ってやるとも言わずに無言で袋を取り上げようとした紅丸の行動を必死で制したタマキは、買い出しの袋を抱え直し、手ぶらの紅丸と並んで詰所までの道を歩いていた。 「いえ、私なんて、買い出しくらいしかできることないんで……」 「なんだ。この前一皮向けたと思ったら、また被り直しちまってるな。修行の効果はなかったか?」 「そんなことは……でも、結局誰かに守られて流されてばっかりだし……」 眉毛を八の字に曲げ、悩まし気な顔で俯く。紙袋に半分隠れたタマキの顔を横目で見おろした紅丸は、顎に手を当て、ふむ、と口を曲げた。 「鍛えるのも悪くはないが、使いどころってもんもある。俺だって、偶然浅草の火消しに拾われなきゃ益体も無いただの暴れん坊だ。流されてる内にお前ェさんの力の使いどころもどっかで見つかるだろうよ」 「……私は、消防官じゃいられなくなりそうだったところを桜備大隊長に拾ってもらった身です。だから、第八が大変な今こそ役に立ちたいんですけど……」 「守りたいもんが決まってるならいい方だ。なまじなんでも守れちまうと、かえって迷うぞ。何を守って何を守らないか」 「ゔっ…わぁ……贅沢な悩み」 「闇雲に強くなりゃ良いってもんじゃねェってことだ……ケツの青いガキには早い話か」 「弱いのはともかく、子ども扱いはやめてください。これでも、同じ一消防官なので」 ムキになって反論するタマキに、へぇ、と小さいながらも愉快そうな笑みを向けた紅丸は、丁度通りがかった十字路で詰所とは逆の、賭場がある方向へと道を曲がり去っていった。 畳む 2025/08/17
SS 夾竹桃 桜備視点 続きを読む 連日の酷暑は収まる気配もなく、日中はただ外を歩くだけでも汗が全身から噴き出てくる。 浅草の町の外れ、地面に大きな影をつくる育ちすぎた夾竹桃の木の下で男は待っていた。 晴天の夏空の下、花のピンク色はますます鮮やかで、微かな風に吹かれ意気揚々と枝ごと揺れている。 夾竹桃は枝や花、葉っぱすべてに猛毒を含んでいて、燃えた煙を吸っただけでも健康被害が出る。 その花について自分が知っているのは、消防隊員らしいそんな知識だけだ。 俄かには信じがたい話だが、詰まらなそうな顔で影の下から花を眺めている男の体には、どんな毒もきかないらしい。 それならそれで、今、なんの躊躇もなく花に手を伸ばしているのも理解できる。 毒や棘を備えた花も、この男の前では無力で美しいだけなのか。 日焼けとも無縁な横顔は白い。微笑みひとつすら向けてくれない男に、花達もただただひれ伏すしかないなんて、なんだか哀れだ。 「おい、そこの木偶の坊。ぼーっと突っ立ってると暑さでぶっ倒れるぞ」 声をかけられて、慌てて意識を取り戻す。見惚れていたのか、足が自然と止まっていた。 「あ……なんか眩暈すると思ったら、暑さのせいか……」 「なに言ってんだ」 と、花がもらえなかったささやかな笑顔をもらう。それに気を良くして、影の下から出てこようとしない男の元へと足早に近づいた。 畳む 2025/07/29
メモ 7/26 ようやく 展示小説を頭から読み返してます 2ヶ月置いたらさすがに忘れてる部分もあるから、多少自給自足になってる…かも 恥ずかしくて読めないところを飛ばしたら意味ないんだけど飛ばしてしまう 続きを読む -- そういや今日隅田川の花火ですね 紅丸に岡惚れして桜備さんに嫉妬する花火師モブという妄想ネタがあったりなかったり -- 全部一気に…とか思ってたら一生載せなそうだから、できたところからSS一覧にアップしてます>5月WEBイベの展示SS 細かい調整をしただけで、展示した時と基本まったく同じです 4だけ1シーン足す予定 -- 下の絵、柄シャツのトランプ2枚絵柄描き忘れてるな…畳む 2025/07/26
メモ 7/22 昨日のSS 平穏時じゃなくても切り替えて全力でいちゃいちゃできるのを一種の豪胆さと思ってる節があるので、潜伏期(同棲期)も全然いちゃついててほしい てか、とにかくただ仲睦まじいのを見たいだけっす…最近はもう大型犬と猫が仲良しな動画とか写真とかに紅備を感じてしまうの… 続きを読む 劇場版MER見に行こうかな~と悩んでるこの頃 あの港爆発救助の感じに炎炎三期後半の雰囲気ある気がして 私は脳内で鈴木亮平と秋樽桜備を同じ箱に入れてます 畳む 2025/07/22
SS 大隊長カレーの日 浅草潜伏期 多分付き合ってる 続きを読む シンラとアーサーが浅草にある第七へと実践稽古に通い始めて数日。初日より慣れてきたとは言え、稽古が終わる頃には体の自由が利かないほどにまで疲弊するのは変わらなかった。 だが、その日に限ってはいつもと様子が違った。 「あ!」 第七の詰所の庭で四肢を投げ出し地面に伸びていたシンラが、なんの前触れもなく大きな声をあげ、バネのように体を跳ね起こした。容赦のないかわいがりで死に体になっていたとは思えない元気の良い声。その声に反応して、隣で同様に伸びていたアーサーも「そうか!!」と声をあげ、同じ勢いで体を起こす。 「なんだ、急に元気になりやがって」 地面に座る二人の背後から紅丸が怪訝そうに尋ねると、二人は同時に振り返った。 「今日は大隊長カレーの日なんです!(だ!)」 普段は目が合っただけで喧嘩になる犬猿の二人が、ここぞとばかりに声を合わせ、同じような満面の笑みで同じように両目を輝かせている。 「かれー?」 「あれ? もしかして、浅草ってカレー食べないんですか?」 「知らねェな」 ウワー!アリエネー!モッタイネー!と、浮かれているせいか遠慮なく騒ぎたてる二人。するとシンラが、閃いた、という表情で再び紅丸を見上げた。 「そうだ。新門大隊長も第八に食べに来ますか? すっげーうまいんですよ、大隊長カレー」 「……行かねェよ、馬鹿ヤロウ」 紅丸は、これ以上相手をするのは面倒だという意思を表情で示し、シンラの誘いを断った。 まだ、第八が特殊消防隊でなくなるとは誰一人として想像もしていなかった頃のことだった。 隊員数が片手の指の数を超えたタイミングで、大隊長の立場と職務内容を鑑みて食事当番のローテーションからは外すべき、と進言したのは火縄だった。桜備自身はどちらでも構わなかったが、言葉通りの台所事情は火縄が適任と早々に任せてしまっていた以上、異論はなかった。 その火縄が「カレーだけは、桜備大隊長がつくった方が美味い」と断言したことから生まれたのが、毎月最終金曜日の“大隊長カレーの日”だった。 逆賊として国家に追われ浅草に身を潜めてからしばらく、その日が最終金曜日だと気がつき「カレーが食べたい」と最初に言い出したのは環だった。流されるままに混乱の渦に巻き込まれた環は、とにかく“平凡な日常”に飢えていた。そんな彼女の涙ながらの訴えもあり、桜備は急遽間借りしている第七消防隊詰所の台所で、いつも通りのカレーを作ることになったのだった。 その前から手が空いている隊員がいれば食事の支度の手伝いなどはしていたものの、主導権を取って使うのは初めてだった。紺炉に了承を得て火華にルーの買い出しを頼みと多少なりの迷惑もかけたものの、結果的には、浅草には馴染みの薄い皇国の料理を振る舞ったことで、血気盛んな第七の火消し連中と第八の隊員の親睦が深まる良いきっかけにもなった―― 「もう、ひと月経ったのか」 紅丸は引き戸を細く開いて台所に入って来るとすぐに、そう言った。土間にいたのは、数十人分の量を一気に煮込める大きな寸胴鍋と向き合っている桜備ひとりだった。 「どうしました? 酒ならここにはないですよ」 「知ってる。ただ、詰所中に匂ってるから見に来ただけだ」 「またやらせてもらってます。前回が意外と好評だったんで……」 「あぁ……アイツな」 複雑な心境が垣間見える桜備の苦笑いを見て、紅丸は目線を宙に泳がせて記憶を辿った。ちょうど一ヶ月前の最初の大隊長カレーの日、最も場をざわつかせたのはシンラだった。 柱の出現で人格が変わって以降、反抗期の不良少年よろしく隊員揃っての食事の場への参加を拒んでいたシンラだったが、唯一、大隊長カレーの日だけは夕食に姿を見せたのだ。ざわつく面々を余所に、うまいともまずいとも言わずに、ただただ皿を空っぽにし、無言で去っていった。 「あ~……あの時のシンラの反応は意外でしたね。とんでもない奴でも、やっぱりシンラではあるんだなってちょっと感動しましたよ」 第八の面々、特に桜備と火縄が不良息子に振り回される両親のように説得、叱咤、宥めすかしを駆使して必死で向き合おうとする姿は、誰の目にも入ってくる。なんらかの希望の可能性を感じたカレーづくりに精を出すのも、涙ぐましい努力の一環と受け取られていた。 「シンラもですけど……新門大隊長も。あの日、おかわりしてたでしょ」 「……目敏いやつだな。紺炉かよ」 「目敏いんじゃなくて、見てるからですよ」 そう言うと、首をぐいと曲げ、隣にいる紅丸を見下ろした。自然、その前から見上げていた紅丸と目が合う。 「好きな人のことは、意識しなくても自然と目が追っちゃうんで」 唇を軽くゆるめた和やかな表情のまま、恥じらいの一切ないサッパリとした口調で言う。 紅丸は桜備の告白紛いの言葉に対しては苦々しい顔をするだけで何も応えずに、二人の間にある桜備の左手を掴んで自らの方へと引き寄せた。中指に巻かれている絆創膏を親指で軽く撫ぜると、次いで、何も巻かれていない薬指へと移り、柔らかい指の腹の皮膚を擦る。 「……この前ん時は、こっちの指に巻いてたろ。苦手なのが分かってんなら下拵えは人にやらせろ。血の味がしちゃたまったもんじゃねェぞ」 「や、苦手ってわけじゃないですよ? ちょっと力加減に失敗するだけで……」 指を揉まれる感覚がむず痒いのか、桜備は肩から腕にかけてをぎこちなく揺らしながら紅丸の指摘を否定した。 それが苦手ってことじゃねェのか、と言いたくなるのを口内で留めた紅丸は、掴んでいた左手を解放してから、再び鍋を覗き込んだ。 「しかし、シンラもそうだが、他のやつもエラい喜びようだったな。血とは言わねェが、なんか珍しいもんでも入ってんのか?」 「特には。ただ、カレーってつまるところ大勢で食べりゃうまいんですよ」 「は?」 「本当に特別なことはなんもしてない、普通のカレーですよ。それなのにうまいのは、大勢で食べるからってだけで。食事って何を食べるかより誰と食べるかっていうのが大事じゃないですか?」 「まぁ……そうかもな」 「あと、カレーってそれぞれ自分の家の味というか、お袋の味みたいなのがあるから。かえって変に凝ってないのがいいのかも知れないですね」 「そんなもんか。第七(うち)じゃこの前食うまで作ったことも食べたこともなかったからな」 「あれ? じゃあ……俺のカレーがお袋の味になるってことですか?」 「言い方は気にいらねェが、そうなるな……。おい、なんだその顔、喜んでんのか?」 「そりゃ嬉しいでしょ。なんであれ、初めての存在になれるのは」 指摘された桜備は、緩んだ口元を手で隠しながら照れ隠しに軽く眉をひそめた。それでもすぐに真顔に戻ると、手元に用意していた小皿にカレーを取り分け味見をして、う~ん、と低い声で唸った。 「うまい、けどマジで普通だなァ。正直、俺が一番不思議ですよ、みんながなんであんな喜ぶのか……」 首を首を捻ってそのまま、隣に目を向ける。 「味見、しますか?」 そう言ってペロリと唇を舐めた桜備の伺うような誘うような視線に、紅丸も一拍遅れてその意図を察し、呆れ顔で舌を鳴らした。 「色惚けてんじゃねェよ。したいんだったら普通にしろ」 手厳しく撥ねつけられた桜備は、そうですね、と嬉しそうに笑い、小皿を置いてから腰を屈めた。 好きな相手と口を重ねるのもお前が初めてなのだと、そう言ったらさぞかし喜ぶだろうと思いながら、太い首に手をかけ引き寄せる。鼻をくすぐる甘さと刺激が混ざった独特の匂いが、唇の表面を軽く擦り合わせるだけの戯れじみた触れ合いで伝わってきたものなのか、すぐ横にある鍋から漂ってきただけなのかは定かではない。 至近距離で見る熱を帯びた茶色い瞳の色は、鍋の中でドロドロと煮詰まっている粘液にも似ている。食べても食べても満たされないくらいに欲しているのだと。見て分かるほどなら、言ってやる必要もない。唇の端から、頬を伝って耳朶まで。肌を撫ぜながら唇をずらすと、むず痒いのか息の漏れる音がする。 「……初めてよりも、最後になりてェもんだけどな」 畳む 2025/07/21
メモ 7/20 投票日なので 25年後の桜備大統領の選挙に想いを馳せてます そもそもエピローグ後の世界って<皇国>ではないだろうな でも教皇も復活してるし混乱を避けるために教会は一旦維持しつつ徐々に解体したのかな 2025/07/20
絵 血の気が多い護衛 そんなに警戒しなくていいのに…と二人に対して思いながら遠巻きにしてる人達に笑顔を向ける総隊長 シンラも入れれば良かったな *** 大前提が紅備だからアレですけど そうじゃない人からしたら何でこの組み合わせ?って三人ですよね 何を今更 2025/07/18
メモ 7/16 訪浅草 ヒロアカの原画展のために東京行ったので浅草にもちらっと寄ってきました 以下 テンション上がったものの写真など 続きを読む たまたま泊まった深川のホテル周辺、街灯が纏になっててかわいかったです 祭用品店中屋さんの店先で発見した<新門> あわよくば絵描く資料用に町の写真とか撮れるかな~と思ったけど 時間無いし人多い時間帯だしで、ほぼみつまめ食べるだけに終わりました 梅園です(ダイマ) おいしかった…2杯食べそうだった… 次の機会があれば早朝か夜頃を狙ってリベンジしたいです あと時期的にほおずき飾りを吊るしてるお店が多くてときめきました 絶対新門紅丸に似あうな?!という趣があります テンション上がってる内に描きたい 畳む 2025/07/16
ちょい長くなるかもな別パターンの馴れ初め妄想が沸いてきたので、いつも通り見切り発車しちゃおうか と思ったけど、さすがに展示SSの再掲ができてからにします… ちゃんとこう、ABCの段階踏んでく感じの紅備が書きたいのですよ 2025/07/08
絵 ジャストあきたる この格好バリ好きなのにまだ一回もかいてなかったと思い 大隊長会議での第七の格好は正装というよりキャラデザ定まってなかっただけなのかな そして幻の指ぬきグローブ… 2025/07/06
絵 色々うまくいかなくて諦めた絵なんですけどもったいないから載せます SPARK-AGAINの「とびきりの王冠なら手に入れたい」から、革張りソファにダラッと座って王冠被ってる的な若を描こうかなと最初思ってたんですが そういう系はアー写としてはいいんだけど本人のキャラではないんだよな…と思い ならどんな王冠なら受け入れるかな~ ヒカヒナと桜備さんでつくった花冠ならいいんじゃない?……という妄想 続きついでドぺらくがき 続きを読む 畳む 2025/07/04
SS 牽牛花 紅備未満 展示SSの幕間的なもの ギリ単体でも読めるかも 続きを読む 朝、第八特殊消防教会の玄関ホール。初夏の日の出は早く、規定の起床時間前でも窓の外は明るい。すでに身支度を終え出窓に置かれた観葉植物の鉢に水をやっていた桜備の元へ、静かな廊下にパタパタと足音を響かせながら現れたのは、シスターアイリスだった。 「大隊長さんっ、ちょっと来てもらえますか?!」 焦った声で呼ばれて振り返った桜備は、ハァハァと息を切らし頬をピンク色に染めたアイリスの真剣な表情に、思わず手にしていた如雨露を置き身構えた。 「おお、咲いてる!」 ちょこまかと小走りで教会内を歩くアイリスについて行った先は、教会の中庭だった。 アイリスが「見てください」と嬉しそうに示したのは、天に向かって咲く一輪の朝顔だ。 「さすが、シスターがお世話しただけありますね」 シスターたちが身を清めるためのその場所は、日当たりも良く、食事に使う野菜や教会内に飾る花を育てる家庭菜園にも使われている。その世話の大部分を引き受けているのがアイリスだ。 「えへへ……でも、アサガオは昔いた教会でも育てたことはなかったです。……綺麗な色ですね」 口元におだやかな微笑みを浮かべ、支柱に絡まり伸びる蔓の先で丸く開いているピンク色の花を見つめる。ちょうど彼女の手の平ほどの大きさで、花弁はティッシュのように薄く、縁は細かく波打っていた。 この朝顔は、浅草への調査に同行できなかったのを残念がっていたアイリスのために桜備が買ってきた土産のようなものだった。桜備が買ってきた、とはいっても、朝顔を土産として選んだのは第七大隊長の紅丸だ。 慣れない女性相手の土産選びにあぐねていた桜備が、何か浅草らしいものといえば……と大雑把な質問で助けを乞うと、ちょうどその時目の先にあった道端の行商人を指さし「アレなんかどうだ」と投げやりな調子で言ったのだった。 「俺も小学生の時に育てた記憶はあるけど、こんな感じじゃなくてもっと普通の……」 言いながら、シスターには“普通のアサガオ”じゃ伝わらないか、と気がついた桜備は途中で言葉を切った。 「浅草はアサガオの栽培と品種改良が盛んらしいです。変わり咲きを楽しむのが粋だって。だから、同じアサガオでも、花の見た目には色々あるみたいですよ。それに――」 「朝顔は種が薬になるってんで、贈り物として重宝されてたんだよ。それに何より、浅草らしいじゃねェか」 浅草の路上で、どうして朝顔なのかと首を傾げる桜備に紅丸はそう説明した。 「皇国の大隊長さんはご存じねェか? 浅草じゃ、酔狂者がどんだけ珍しい朝顔を育てられるかで競い合ってんのさ。お陰で、朝顔ひとつとっても何百じゃ収まらねェくらいの種類がある」 朝顔に限らず、菊や牡丹や紫陽花やら。浅草で盛んに行われている園芸趣味について説明してくれたのは、苗を売っていた商人の男だった。肩に担いだ天秤棒の両端に下げた浅い桶。そこにぎっしりと苗を並べて売り歩く姿は、浅草の呼び名では振り売りというらしい。 「それに、元々は大火事で焼け野原になったとこに種を撒いて楽しんだのが始まりだってんだから、火事場とも深い縁があるぜ……って、こりゃかえって火消しにとっちゃ縁起が悪ぃか」」 桜備が皇国の特殊消防官だと知っている口ぶりで、あの町の人間らしい気安い口調。ただ、その時桜備が返事をするより先に返したのは、隣にいた紅丸だった。 「べつに悪かねェよ。大火事でも大災害でも、起きちまったことは楽しむのが浅草流だ」 他の植物達に並んで庭の端に置かれた二つの陶器の鉢、片方は桜備からシスターアイリスへのお土産で、もうひとつは…… 「大隊長さんのアサガオも、もう少しで咲きそうですね」 アイリスが隣の鉢へと目を移し、期待に瞳を輝かせる。花こそ開いていないものの、連なる葉っぱの間には先端が色づいた蕾がいくつも見えていた。 右と左の二つどちらとも、まだ蔓もさほど伸びていない小さな苗の中から紅丸が選んだものだ。まずひとつ。それから、もうひとつ。 「――コレと……あとコレももらうか」 「あれ? 一個でいいですよ」 「その第八の嬢ちゃんへの土産の分はこっちだけだ。で、こっちは、俺からお前にやる」 「俺?」 「ああ。枯らしてくれるなよ」 買った時の小さな苗の状態ではよく分からなかったが、ある程度育った今見比べてみれば、葉っぱの形も色も微妙に違う。恐らく、花の姿もまったく別物なのだろう。 「う~ん、名前……なんだったかな」 振り売りから買った時にそれぞれの品種名も教えてもらったはずが、すっかり忘れてしまっている。なんとなく美しい響きだった気はするが、一度聞いただけの耳慣れない響きは、おぼろげにでも思い出せそうにない。 桜備が悩んでいると、アイリスがふいに小さな手の平同士を軽く打ち付け「そういえば」と話を切り出した。 「マキさんが調べて教えてくれました。アサガオが七月七日に咲くと縁起が良いらしいですよ」 「へえ、マキが?」 「その~、恋愛運に良いらしいです。七夕に咲いたアサガオは、織姫様と彦星さんが無事会えた証なんですって」 「そうか……マキらしいな」 茉希尾瀬が人並外れた逞しさと乙女心の両方を備えているのは、桜備ならず同じ隊の誰でも知っている。 彼女だったら、花を人からもらったという出来事から、どれだけ突飛な曲解をしてくれるだろうか。 実際のところは、たいした意味などない、ただの気まぐれだろうに。 「楽しみですねっ、どんな花が咲くか」 シスターアイリスが、桜備の鉢の蕾を眺めながら無邪気に声を弾ませる。 楽しみだ。楽しみなんだけど、なんでかちょっと怖い。 素直に「はい」と同意できずに、無言で支柱に絡まる蔓を目で追いかける。視線の動きに合わせて螺旋状にさまよった思考は、そのまま中庭から見える狭い天まで昇っていってしまいそうだった。 畳む 2025/07/02
メモ 7/2 暑い 大隊長 防火服着てる時に日焼けしたら顔に縦縞できるのかな --- 見返したら6月やたら絵描いてました 浮かれてるな… さすがに満足してきたのか絵描きたい欲がやや落ち着いて、入れ替わりでSS書きたくなってきてます 2025/07/02
SS WEBイベントで展示していたSS(落火流水)の修正作業中に削った桜備さんと紺炉さんの会話 ただただ二人に会話させたいだけで話的には要らんな~と思って元々削るか悩んでた部分だったんですが、読み直してもやっぱいらないし原作の流れ的にも変だったので削 でももったいないのでこっちにだけ残しておきます なんとかならないかなと最後ちょっと足したりした跡はあるけど基本展示と同じです 続きを読む 第八特殊消防教会の会議室で「~てェことらしい」と伝聞調での報告を一通り終えた紺炉は、最後に改めて桜備に向き直ると、眉尻を下げ申し訳なさそうに謝罪を述べた。 「しかし、この前の大火事の時は悪かったな。実は丁度先代の命日でね、まあ、総出でお祭り騒ぎしてただけなんだが……」 「大丈夫です。結果的に、消防隊の結束を強める良い切欠になりました」 「そうかい。なら良かったが……しかし、いよいよ話がきな臭くなってきたな。第七うちに協力できることがあればいくらでも手ェ貸すぜ」 言いながら、包帯を巻いた左腕に右手の平をパンッと叩きつける。頼もしい言葉に、桜備は一度目を細めてハッキリとした笑顔を見せてから、眉毛を吊り上げ、真剣な表情をつくった。 「ただ、第八はこれから灰島への調査に入る予定です。あまり大事にはしないつもりですが、何かあっても第七には……というより、灰病の薬の供給には影響が出ないようにします」 「俺としちゃ、別に灰島に喧嘩売っちまって構わねェんだけどな。まぁ、紅のやつは気にするか……」 紺炉は苦笑いを浮かべ、何事かを思い出すように視線を斜め右上にさ迷わせた。その様子から紅丸の方に灰島との抗争を渋る動きがあるのを察した桜備は、先回りして言葉を重ねた。 「こちらとしても、紺炉中隊長には万全の状態で備えていてもらいたいので。それこそ、先日の火災嵐の一件もあって、鬼の焔ビトを一人で倒したお二人の力がどれだけすごいか改めて実感したので……」 真っ当なことを口にしながらも、桜備の脳裏に別の記憶が浮かんでいた。酒が入れば笑う男が、閨では弱音を吐くのだと知ってしまったばかりに、思考が乱されている。 『……灰病さえなきゃ、紺炉が頭になるはずだった。そもそも、先代の一番弟子は紺炉だったんだ。順当にいきゃ後継ぐはずが、突然拾われてきた野良犬のガキにひっくり返された。もちろん、そんなの気にするような男じゃないとは分かっちゃいるがな……――』 桜備からすれば、目の前の男が以前に頭を担ぐためなら命も惜しくないと言い切るのを見ていた以上、紅丸の苦悶はすべて杞憂に思えた。 不自然に開いてしまった間を誤魔化そうとしたその時、大隊長室のドアが外からノックされる。偶然の助け舟に、どうぞ、と桜備が呼び掛けるやいなや、飛び込んで来たのはシンラとアーサーだった。 「紺炉中隊長! 来られてるって聞いたので」 「よぉシンラ。聞いたぞ、この前死にかけたらしいじゃねェか」 浅草の面々にいたく懐いている二人が久しぶりの再会に目を輝かせているのを傍から眺め、桜備も思わず頬がゆるむ。半ば強引に結んだ第七との縁が時を経て太くなっているのを感じ、安堵と、どこか居心地の悪さも覚えていた。 「どうかしましたか」 人の輪を離れた位置から眺める桜備に、いつの間にか隣にいた火縄が照準の定まらない質問を投げかける。それでも桜備は、それを明確な意図を持つものとして受け取った。 「ん~~……いや、人を信用するのと利用するのって、紙一重だなと思って」 「マキのことですか?」 「ん? ああ、まぁ、そっちもそうか……」 頭に浮かんでいなかった名前を突然持ち出され、桜備は一旦怪訝そうな表情をしてから、視線を宙にさまよわせた。最初に皇国軍大将の娘と聞いた時、咄嗟に「利用価値がある」と考えたのは間違いない。無論それだけで引き入れたわけではないとはいえ、彼女の名前について回る、無視し難い要素だ。 「あなたの思う“利”のために用いられるのであれば何の不満も感じない、自分のような人間もいます。正しい目的に向かっているのであれば、気に病む必要はないでしょう」 帽子のつばの影の奥で、鋭い眼光が一瞬和らぐ。この男なりに安心させようとしているのを微妙な表情の変化から察した桜備は、自らの不甲斐なさに思い至り、グッと背筋に力を入れた。 「……いつも悪いな、火縄」 畳む 2025/06/30
メモ 6/28 雑 ラジオでモータのCM流れるたびにドキッとしてしまうのやめたい 過去グッズ見てるとたまに初見の原作カラー絵があって驚くんですけど ファンブックに収録されてないカラー絵をまとめて見たい…血涙 -- Waveboxのコメントありがとうございますー! テンション上がったので続きぽいものかいてます -- てがろぐスキン(テンプレート的なやつ)そのまま使ってたら時々見に行く他サイトさんと丸被ってしまっていて気になったので色を変えました 完全に名前だけで選んだ紅掛空色と灰桜 わはは 2025/06/28
メモ 6/26 紅備イメソンの件 個人的紅備プレイリストもぼちぼち溜まってます 教えていただいたSPARK-AGAINは灯台下暗しで幸せの青い鳥でした 続きを読むゆうてストライクゾーン広いからワンフレーズとか雰囲気とかなんかしら掠ったらどんどん入れてます 全部羅列しようかと思ったけどあまりにも趣味すぎて唐突に恥ずかしくなったので直近の2つだけ… ・Dannie May「一生あなたと生きていくなら」(歌詞) エピローグ軸的な ・THE BACK HORN「ハナレバナレ」(歌詞) テンション 今までの投稿をいくつか見てもらえたらお察しかと思いますが、私はすべてにおいて説明するのがめちゃくちゃ下手くそで、説明を試みても書いてる途中であまりの下手さに落ち込んでくるのですぐ諦めます フィーリングでいきましょう畳む 2025/06/26
メモ 6/24 いま朝雑記 暑くて起きちゃったので、引き続きドぺ桜備の可能性について考えながらラクガキしてました 続きを読む (ありえないというのは置いておいて) もし本物紅VSドペ備になったら妄想 本物じゃないからで瞬殺もいいし、同じ顔だから攻撃するの躊躇ってやや苦戦するのもいい ド×ドの殺し愛セも見たい…見たすぎる 退廃的な推しカプ見たいと思えど、どっちも清々しいまでに健全だからな~~って葛藤してたけどドぺで可能性広がっちゃうよ 原作のドペ自体がなんかズレてる二次創作みたいなもんだからなんでもあり感あるよね と、ズレてる二次創作してる人間が言う畳む 2025/06/24
メモ 6/23 書かない妄想 確立者絡みのCPはドッペル交えて合法的に3P(4P)できるのがいいですよね The攻め様みたいな言葉責めするドッペル紅と本人で「桜備を満足させた方が本物だ」ってやってほしい ## ド紅×ド桜!!やばすぎてカルピス噴いた ドッペル桜備のことあんま考えてなかったけど、なんかもう存在がいやらしいな… 2025/06/23
メモ 6/22 雑記 スチパングッズの大隊長、Drジョヴァンニと微妙に被ってることに気づいてブチギレてほしい --- Waveboxのコメントありがとうございます! デートって単語に「たしかに、これデートじゃん!」って興奮しました…デートだ…デートですね --- ベニキの方に描いたストレリチア(左上)の花言葉も調べてみたら「恋の伊達者」「寛容」「全てを手に入れる」とかで、良い感じに新門紅丸 自分グッジョブ 二人並べてみた 並べてみた 萌えパワーに任せて好きなものだけ描くの楽しかった~ 桜備さんを腹掛けで描いてるのも若干影響されている…表はほぼタンクトップと変わらないのに腹掛けだと思うだけで描いてる時めっちゃ興奮するのすごい あんなん裸エプロンみたいなもんじゃないですか しかし自分の小説は1ミリも絵に描きたくならないのはなんでだろう そもそもそんなに読み返さないんですが…う、向き合いたくない展示小説の存在を思い出してしまった…読み返さなくても雑なのが分かる 畳む 2025/06/22
2025/03~2025/08
2025年春に突然炎炎と紅備にハマり、いてもたってもいられず諸々書き散らすために作った雑記帳です。
アニメ3期開始前の変な時期にハマったにも関わらず、運が良かったり優しい人達に巡り会えたりのおかげで楽しい数ヶ月でした。ので所々(というか常に)テンションが変です。
絵の名義を分けようと思い立ったため現在は稼働していません。
もし紅備好きな人がいたとして、他にも好きな人いるんだなと感じられるならもうなんでも嬉しいかもと思いとっておいてます。
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(当初からの注意書き)
炎炎ノ消防隊の紅丸×桜備に可能性を感じてしまった人の呻き場
ここにあるのは:ハマりたて人の荒れた呟き/二次創作(紅備腐SS、らくがきなど)
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2025年3月に原作一気読みアニメ一気見したド新規です
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