ツキハヒガシニ

    

SS

    
三々久遠α2
タケヒサヒナワは受け入れていない


「でも、火縄副指令はやっぱり大人ですね。受け入れられないでギャーギャー言ってる自分が恥ずかしくなってきました」
 更衣室で汗を吸ったTシャツを替えながらそう言うと、先に着替えを終えた副指令が、ガシャン、とあくまで丁寧な手つきでロッカーを閉めてから俺の方を振り返った。
「別に、受け入れたわけじゃないぞ」
「へ?」
「総隊長がドッペルゲンガーに殺された時のショックがあまりにも受け入れ難かった。今の世界になってからもずっと、あの人が死ぬという想像が俺にとっては一番の悪夢だ。だから、生きてさえいれば、誰とどんな性交をしていようがどうでもいい」
 眼鏡の奧の目の据わり方にも口調にも淀みがない。たじろいだ俺は、相槌も打てずに腕にシャツを引っかけた中途半端な格好で固まった。
「それに、職務中はともかくそれ以外の生活までは関与できないからな。目の届かないプライベートな時間に死ぬ確率が低くなるという意味では、あれ以上の相手もいないだろ」
「え、総指揮のこと体のいいSPだと思ってます?」
「そもそも、生き返ったのは良かったが、生き返ったということはもう一度死ぬということだ。そういう意味ではシンラ、お前のことも許していない」
「ちょちょ、それはさすがに逆恨みですって!」


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